立憲民主党のインタビューを受けました #03

立憲民主党インタビューの続編をお送りします。
今回の内容は、これまでの子育てや仕事についてお話しした部分です。ご覧ください。

★前回のインタビュー内容はこちらをご覧ください


INTERVIEW#03 文京区担当政策委員 沢田けいじ
「学び合い助け合う「お互いさま」の町をつくるために」

――ご自身の子育てについて、詳しく教えてください。
先にお話ししたとおり、私の子育ては本当にみなさんに助けてもらってばかりでした。自分の弱さを知り、大切なことをたくさん学ばせてもらいました。助け合いも口で言うのは簡単ですが、実際に人に頼れるようになるまでには心のハードルもありました。

――ご近所さんがお風呂にまで入れてくれたとか?
正直、親戚でもないご近所さんにそこまで頼ることには抵抗がありました。ある日、本当に申し訳ない気持ちで謝りに行ったら「遠くの親戚より近くの他人なんだからお互いさまよ」と、笑顔で声をかけてくれました。人に迷惑をかけない生き方ではなく、かけた分、時間をかけてでも返す生き方をしようと思ったきっかけでした。

――遠くの親戚より近くの他人ですか?
ちょうどその頃、東日本大震災が起きて、私たちの長屋も被害を受けました。片付けを手伝ったり止まったガスメーターを復旧させたり開かなくなった戸を直したり、ご近所さんに喜んでもらって、こんな私にもできることがあると知りました。子育ても同じで、困っていた親子同士で声をかけあい、みんなで一緒に過ごしたり子どもを遊ばせたり面倒を見合ったりするなかで、お互いさまの意識が広がりました。同時に、子育てをとおして助け合う喜びや安心感を伝えることも、大切な恩返しの一つと感じるようになりました。

――保育園の父母の会長もされたそうですね。
地域での活動が認められ、先輩父母から推薦いただきました。若輩でしたのでためらいもありましたが、若い力で新しい風を、と背中を押されてチャレンジしました。大震災後の保育園は課題が山積みでしたが、さまざまな分野で活躍するお父さんお母さんたちの力を借りて、何とか一つずつ乗り越えてきました。保育の現場で仕事をしながら、子どもを預ける保護者とのさまざまなやり取りを経験してきたことも、父母の会活動に貢献できた理由の一つと思います。

――保育士の仕事について、詳しく教えてください。
先ほどお話ししたとおり、大学の専攻とは違う分野での仕事は戸惑いだらけでした。教職の授業で習った理論と現場の実践のギャップをどう埋めるか、保育士と保護者の立場や価値観の違いをどう橋渡しするか、悩みに悩みました。そのとき、大学の恩師が教えてくれたのです。「分からなくなったら子どもたちに聞くといいよ」と。自分のことばかり見ていた私に、外に目を向けることを教えてくれたのでした。それからは子どもから学ぶことに力を注ぎ、大人にも子どもをとおして働きかけるようになりました。

――どんな仕事に携わりましたか?
保育士の育成や地域・保幼小中学校との連携などです。特に、民間は人手不足が深刻で、現場で保育士を一人前に育てることは重要な課題です。自らやり甲斐を見つけ、自身を向上させる仕事の習慣を身につけるには、好奇心や探究心が欠かせません。地域や小中学校など外部との関わりはこの点、保育士の資質向上にも役立ちました。近年の保育・教育現場は多忙で、先生たちもやりたいことがなかなかやれない状況です。特に、自分や組織の内部だけでは行き詰まりがちのため、殻を破って外部に興味を向けることで本当にやりたいことが見えてくる面もあります。

――小学校のPTAにも関わられたそうですね。
PTAの本部に携わったのはまだ2年ですが、たくさんの学びがありました。特に、学校現場の実情と先生たちの苦労を目の当たりにし、地域と家庭と学校が、子どもを中心に助け合える関係をつくることがいかに大切かを痛感しました。PTAを起点に地域の関係機関や学校支援組織が同じビジョンのもと協力しあうことができれば、教育現場の疲弊にも解決の糸口が見つかるはずです。

――子育て中のお父さんお母さんや学校の先生たちに伝えたいことがあれば教えてください。
子どもは一人ひとり個性的で、他の誰とも違う存在です。一つの価値観や枠組を当てはめようとすればお互いに苦しくなりますが、反対にそれぞれの良さを認め合えば喜びが増えます。同じく子どもの手本になろうとすると苦しいけれど、一緒に進んでいると思えば気が楽です。子どもを一人の人間としてみて、対等に学び合い、助け合うこと。子どものためと口では言いながら、無意識に欲望やエゴを押し付けて思い通りにしようとしている自分に自覚的になること。これは、大人同士の関係にも共通する課題と思います。

(インタビューは次回に続きます)

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