今回の2月定例議会では、長年の区民の要望に応え、初めての「委員会インターネット中継」を実施しました。
中継したのは予算審査特別委員会。全6日間、計30時間を超える質疑を生中継し、録画映像を議会Webサイトに公開しました。
「委員会を初めて見た」「予想外に身近な議論に驚いた」などの声に加え、「固定カメラ1台では分かりにくい」「テロップや字幕がほしい」などの要望も寄せられ、区民の期待の大きさが感じられました。
「誰もがいつでもどこでも傍聴できる議会」へ
今回の委員会ネット中継は、5年前にも区民が議会に請願していたものでした。
当時は「質問時間を制限しないと、委員により露出が異なり不公平」「自由闊達な議論に支障が出る」「費用対効果に疑問がある」などの理由で多数の委員が不採択としていましたが、昨年4月の区議会議員選挙で議員5人が改選され、新たな議会構成のもとで全会一致で採択されました。
その記念すべき第一歩が、今回の「予算審査特別委員会」での中継でした。
文京区議会では、予算と決算の審査だけ各委員の持ち時間を決めており、先に述べた「公平性」の問題をクリアできるとの理由から、これら2委員会での試みが決まりました。
今回は全6日間、計30時間を超える新年度予算案への質疑を生中継し、録画映像を議会Webサイトに公開しました。
「本会議は傍聴したことがあったが、委員会は初めて見た」「もっと難しい話かと思っていた。予想外に身近な議論の内容に驚いた」などの声に加え、「固定カメラ1台では誰が話しているか分かりにくいので、360°全天球カメラで質問者をアップできるようにしてほしい」「テロップやAI自動字幕がつけば、何について質問しているかが分かりやすい」などの要望も寄せられ、改めて、区民の期待の大きさが感じられる結果となりました。
次回の中継は9月定例議会の「決算審査特別委員会」で実施します。その間も、今回の中継の課題と改善点をまとめ、「開かれた議会」づくりのための次の一歩を検討してまいりますので、ご意見やアイディアをお寄せください。
舵取りの鍵は住民の「満足度」と「参加意識」
今回の予算審査特別委員会では主に、子育て世代を中心とする生産年齢の人口増加に、保育園・学校施設などの公共施設や、子育て・教育環境などの環境整備が追いついていない問題について議論しました。
また、人口増加の裏では転出者数も増加しており、住民の入れ替わりが激しくなることで、まちへの愛着や定住意向が低下傾向にあることも明らかにしました。
これに加え、「ふるさと納税」で、文京区以外の自治体を納税先に選ぶ住民が増え、住民税収入の流出額が急増している問題もあります。
首都圏の自治体に共通する課題ではありますが、区民が納得できる対応策を、区民と一緒に考え、先手を打って実施する必要があります。
新年度は、文京区の「自治基本条例」が制定から20周年を迎えます。条例に定めた「協働・協治のまちづくり」を念頭に、誰もが「住んでいてよかった」と思える文京区へ、住民の満足度と参加意識を高める区政へと転換していきたいと思います。引き続き、ご参加・ご協力ください。