立憲民主党のインタビューを受けました #12

立憲民主党インタビューの続編をお送りします。
今回の内容は、大学院での研究と地域の教育力についてお話しした部分です。ご覧ください。
 
INTERVIEW#12
「みんなの『大好き』があふれる町をつくるために」

――大学院での研究について教えてください。
修士課程までは農学部で、食生活とアメニティについて研究しました。人が食べ物に感じるおいしさを、統計モデリングで定量的に評価するというテーマでした。

――それ以外にどんなことを勉強しましたか?
農林水産業全般の講義や実習を受け、生物多様性の問題や持続可能な開発目標(SDGs)についても勉強しました。個人的には環境生態学の講義が一番面白く、環境教育や食育の大切さを知ったのもこのときでした。

――教育学部にも通っていたと伺いましたが。
はい。教職課程の講義や教育実習のほか、持続可能な開発のための教育(ESD)や食農教育、野外教育について勉強しました。ゼミで教わった先生が本当にユニークな方で、価値観を覆されて幼児教育を志そうと決めました。

――どんな先生でしたか?
いつも教育学は好きじゃないとおっしゃっていました。教育学が発展すると、人を思い通りに育てる技術が進歩する。そういう風に他人の都合で操作されることを望む人なんて誰もいないというのが、彼の持論でした。

――教育をする側とされる側の立場の違いですね。
ええ。する側は人の成長の過程に干渉したい。される側は自分の好きにやりたいから放っておいてほしい。この本質的な矛盾を直視しなければ、教育という営みの根本を理解することはできないんだと教えてもらいました。

――教育の本質的な矛盾ですか?
する側だってすべて自分の都合とは限らないわけです。周りの子と同じようにやらせたいとか、今のうちに勉強させておかないと将来困るだろうとか、子どものためといいながら、実際は自分も押し付けられたものだったりするんです。親も教師もこの点は同じで、正しいと信じていることを疑ってみる習慣が大切なんだと思います。

――これから研究したいテーマはありますか?
地域の社会資源と教育力の関係です。社会関係資本が豊かな地域ほど政治がよりよく機能するという、アメリカの政治学者ロバート・パットナムの研究成果があります。住民同士のつながりが豊かな地域ほど、家庭や学校、地域の教育力が高いというのが、私の仮説です。地域の教育力の活用は学校教育の問題解決に不可欠ですし、コミュニティの活性化にとっても大切な課題と思います。

――社会関係資本とは例えばどのようなものですか?
社会をつなげる人間関係の豊かさのことです。英語ではソーシャル・キャピタルといわれ、住民同士のコミュニケーションや行政とのパートナーシップの密度を含む広い意味での地域力や社会の結束力を意味します。住民同士の主体的なつながりや自発的な活動が、民主主義や効率的な統治制度を支えているという話なんです。

――地域の人間力のようなものですか?
そのとおりです。町には決まって名物親父みたいな人がいますよね。やたらと元気な人や威勢のいい人。熱意にあふれた人や研究熱心な人。町が、人が大好きなんだなというのがいつ見ても伝わってくる人、そんな人たちが町に重層的につながることで資本が形成されるんです。いい町にはどこに行っても面白い人がいるわけですね。

――「面白い人」も社会資本のひとつなんですね。
そういう人は子どもたちにも好かれます。そうやって何かに熱中している大人の姿や、その人の大好きなものが子どもを感化したり、憧れを呼び起こしたりわけです。みんなの「大好き」があふれる町は、人間関係が豊かで、教育力が高い町ともいえるんですね。

 
★インタビューは次回に続きます
★前回のインタビュー内容はこちらをご覧ください

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